オリンピック中止?なぜ2016リオ大会はジカ熱感染拡大の中 開催されたのか

東京オリンピックの1次チケット抽選でラッキーにも当選しました、筆者ミミウサです。

ミミウサ
ミミウサ

新型コロナウイルス問題で、東京オリンピック中止の世論が高まっていますが、
それって2020年オリンピックだけ?
前回のリオデジャネイロでは中止・延期騒動はまったくなかったのですかねえ。

前回大会2016年リオデジャネイロオリンピックは、2016年8月5日(金)~8月21日(日)に開催されました。

一方、2015年から2016年にかけて、ジカウイルス(ジカ熱)がコロンビア、ペルー、メキシコと開催地ブラジルを中心に大流行。

それでも、2016年大会は延期もされることなく、計画通り開催しています。

2016年リオデジャネイロ大会は、中止や延期の危機は一度もなかったのでしょうか?

実は、2016年のリオデジャネイロオリンピックでも、中止や延期の危機がありました。

2015年から2016年にかけて大流行したジカウイルス(ジカ熱)の感染拡大状況を紹介しながら、当時のリオデジャネイロでの議論の様子を紹介しましょう。

2016年オリンピック直前 ジカウイルスの大流行

2016年リオデジャネイロオリンピックの開催期間は、2016年8月5日から21日でした。

でも、それまで、2015年から2016年にかけてブラジルでは、下図で示すとおり、蚊媒介性ジカウイルスが大流行しています。

リオデジャネイロオリンピック ジカ

出典:2016 Zika Outbreak

HealthMapについて
Boston Children’s Hospitalの医師をはじめエンジニアたちが、世界の流行ウイルスなどの状況が把握できるHealthMapを公開しています。
この感染マップは過去にも遡れるため、過去と現在のウイルス流行状況を比較することができます。

コロナウイルスの感染世界地図

東京オリンピックの1年延期が決定したのが、2020年3月24日。

その前後、2020年3月10日から過去1ヶ月間におけるコロナウイルスの感染拡大数は次のとおりです。

新型コロナウイルスでオリンピックは中止か予定通り開催か

中国とイタリア、韓国を中心に、赤い丸が多数分布しているのが分かりますね。

2016年オリンピック前 ジカウイルス感染世界地図

そして、2016年、同じく2016年の同じ時期、3月1日から31日の1ヶ月間における、ジカウイルスの感染拡大数を見てみましょう。

2016年リオデジャネイロオリンピック時ジカ熱の感染状況

コロンビア、ペルー、メキシコとブラジル周辺に感染拡大しているのが分かりますね。

コロナウイルスの感染地図に比べて、一定の地域に集中的に感染が広がっていたことが分かります。

専門家ら2016オリンピック計画変更を提言

リオデジャネイロオリンピックの開催が迫った2016年5月、世界各国の専門家150人は、世界保健機関(WHO)に対し、リオ五輪の延期か開催地変更を求めて署名入りの書簡を提出しました。

書簡が公開されたのが2016年5月27日です。

日本からの署名者は、Eubios Ethics InstituteのLeonard leBlanc研究員となっています。

参考:150 experts say Olympics must be moved or postponed because of Zika(英語)

リオオリンピックはなぜ中止されなかったのか

150人の専門家からの提言を受けて、ブラジル保健省は2016年5月28日、ジカ熱のためにリオデジャネイロオリンピックの延期や開催地変更の計画はないと発表しています。

多くの専門家がリオデジャネイロオリンピックの延期を求めていたにも関わらず、なぜ延期されなかったのでしょうか。

Mosquito-borne viruses like Zika follow a fairly predictable seasonal pattern: The insects thrive when it is wet and warm. In contrast, August is one of Rio’s coolest and driest months.

(ジカのような蚊媒介性ウイルスは、予測可能な季節パターンに従います。昆虫は、湿って暖かい季節に繁殖しますが、8月は南半球のリオでは最も涼しく乾燥した月にあたります。)

Zika Is No Reason to Cancel the Olympics. Here’s Why

懸念点となったジカウイルスは蚊が媒介することが明らかなので、蚊が発生しにくい8月なら問題にならないだろうと判断されたわけです。

新型コロナウイルス問題の真っ只中にいる2020年、東京大会とリオデジャネイロ大会で異なるのは、問題となるウイルスの拡散原因がはっきりしているかという点であるようです。

リオデジャネイロオリンピック終了後

2016年リオデジャネイロ・オリンピックの閉会後の2016年9月2日、NewYork Timesはこう報じています。

No Zika infections were reported in Brazil during the Olympics, either among athletes or visitors, the World Health Organization said Friday.

(世界保健機関が、リオデジャネイロ・オリンピックの期間中、ブラジル国内では、アスリートや旅行者の間で、ジカ熱への感染報告はなかった。)

No Zika Cases Reported During Rio Olympics, W.H.O. Says/NewYork Times

オリンピックの開催前にあれだけ蔓延していたジカウイルスが、オリンピック期間中はなんの猛威も振るわなかったのか、疑わしいところですが、公式の報告では「オリンピック期間中の感染報告はなし」として、無事閉幕したことになります。

本当にオリンピック期間中には収束していたの?と疑わずにはおれませんが、オリンピック期間中を含む1ヶ月間、2016年8月1日~8月31日までのジカウイルスの感染状況がこちらです。

うーん、たしかにブラジル付近の感染者は減ったかも?程度ですね。

たしかに「オリンピック期間中の感染報告はなかった」かも知れないが、感染はまだあったであろうと想像します。

まとめ

2016年リオデジャネイロオリンピックと2020年東京オリンピックの、ウイルス感染拡大問題を比較して紹介しました。

2016年リオデジャネイロオリンピックも2020年東京オリンピックも8月初旬の開催です。

開催前の3月の1ヶ月間におけるジカウイルスとコロナウイルスの拡大地図を見比べると、皮肉なことに、両方とも開催国含む、開催地周辺国で特に感染拡大していることが分かりますね。

延期が決まった2020年東京オリンピック、果たしてどうなることやらですね。

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